韓国語で本を読む

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「副作用あります!? 人生おたすけ処方本」(三宅香帆)で紹介されている本の中から、まだ読んでない本の感想を書いてみた

「この人いいな」という作家や監督に出会うと、その人の作品ばかり集中して読んでしまう癖があります。

 

というわけで今回も三宅香帆さんの書評本です。

 

↓過去の三宅香帆さん作品の感想はこちら

 

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「副作用あります!? 人生おたすけ処方本」(三宅香帆)

 

 

 

本書は「眠れないときに読む本」や「友達とギクシャクしているときに読む本」などといったテーマ毎に、三宅さんおすすめ本を紹介していく内容です。

 

今回も三宅さんの選書センスがばっちり光っていて、中でも「風呂に入りたくないときに読む本」として、さくらももこの『たいのおかしら』を紹介しているのがとてもツボでした。

 

たいのおかしら』は私が小学生の頃、本当にボロボロになるまで読んだ本でした。

 

 

 

 

今回、今まで読んだ三宅さんの書評本の中で、「これ読んでみたいな」と思った作品が一番多かったように思います。

 

というわけで、「作品はまだ読んでないけど、三宅さんの書評を見て思ったこと」を感想として書いてみようと思います。

 

 

◆大人になって、結婚してはじめて知る「友達のありがたさ」

 

以下は『凍りのくじら』(辻村深月)に対する三宅さんの書評です。

 

ヘンな話、中高生の頃に仲良かった友達のことが、大人になってからより好きになったというか。いやもともと好きだけど、そのありがたみを感じるようになった。

たぶん友達以外の関係性ーー上司とか後輩とか恋人とかただの知り合いとかーーの種類が増えたからだと思うけど。希少性を帯びてはじめて、そのありがたみが分かり、というか。

 

 

私は学生時代から友人があまり多い方ではなくて、一緒に旅行やライブに行く友達は欲しいけれど、月に3回遊ぶ予定が入っていると「めんどくさいなー」と思ってしまう、我儘な人間でした。行ったら行ったで楽しいんですけどね。

 

結婚した今となっては、女友達には半年もしくは数年に1回会えたらいいやくらいの気持ちになってしまいました。

 

そして何より、予定を合わせるのが本当に難しくなりました。

 

先日も、大学時代の友人5人で久しぶりに集まろうという話になったのですが、1人が「ごめん、その日は旦那が仕事で子供の面倒見られへんからうちでランチでもいい?」と言い出しました。

 

その子の家は他の4人の家から少し遠い上に不便なところにあって、みんな途端に「夕方から用事あるから家まで行くのは時間的に厳しいかもー」となってしまいました。

 

ただ、本音を言うと、やっぱり他人の家にお邪魔するのって気を遣うし面倒くさいんですよね。

 

しかも行くとなると手土産も持って行かなきゃいけない、中心地じゃないから交通費もかかる、と考えると、外食ランチの方がよっぽど安上がりなんです。

 

こういう話を主人にすると「女同士ってめんどくさいというか、冷めてるよな〜」という反応をされます。

 

確かに、社会人になったあたりから、女同士の友情って男同士の友情に比べて淡白になるイメージがあります。

 

ただそれって、私たち女性が本能的に持っている「将来妻になり母になり家庭を守るための準備」のような気がするんです。

 

母はそう簡単に子供を置いて友達とランチに行ったりできないんです。

旦那さんの仕事の都合を聞いて、家のことや子供のことをすべて終えてからでないと出かけられないんです。

その上、楽しくランチをしているときも頭の片隅では置いてきた子供のことが気になっている・・・。

そうしている内に学生時代の友人とはなんとなく疎遠になってしまう。

 

もし自分がこんな状況になったら発狂してしまう、という男性は多いんじゃないでしょうか。「友達が一番大事!飲み最高!」な私の主人なんかは廃人になると思います。

 

でも女性は嫌でもそれを受け入れなければならない。

だからこそ、成長に伴い、少しずつ友達との距離感を測っていき、「もしこのままこの子との友人関係がフェードアウトしてしまっても傷つかない」メンタルを育てていくのだと思います。

 

・・・話が逸れてしまいました。

 

ただ、そんな女子の友人関係は淡白なものと思っている私でも、先日自分の結婚式に友人が来てくれたときは本当に嬉しかったです。

 

会える機会はこれからもっともっと減るかもしれないけれど、それでも細々とでいいから、この子たちとの関係を続けていきたい。と、心からそう思いました。

 

自分の若い頃を知っている友人というのは時に厄介だったりするんですが(笑)、会社や旦那の悪口を、時に盛りまくって面白おかしく話せるのも友人だけなわけで。

 

会うと学生時代に戻ったような気分になれる、とまではいかないんですが、なんだかすごく懐かしい気持ちになるんです。

その余韻のまま、帰り道の電車の中で昔の写真を見返したりして。

 

その懐かしい気持ちを共有できるのは、その時代、その瞬間、同じ景色を共有した友人だけなんですよね。

 

いわば友人は外付けHDDメモリーみたいなものなのかもしれません。

普段はほったらかしだけど、たまーにUSBを差して懐かしいデータたちを見ることができるもの。

 

片方は覚えてるけど片方は忘れてるということも多いので、外付けメモリーとしては結構難ありですが(笑)

 

 

長くなったので分けました。『坂の上の雲』編はこちら↓

 

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『現実入門 ほんとにみんなこんなことを?』(穂村弘)編はこちら

 

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